倉庫の借り方によってこんなに違う!寄託契約と賃貸借契約の違いとは?

倉庫を寄託契約により使用する場合

倉庫に物品を預けて管理を任せる場合、寄託契約を結びます。寄託者(物品を預ける人)は受寄者(物品を預かる人)に保管料を支払って、貯蔵・管理を委託するのです。保管料を受け取った受寄者は預かった物品について厳重な管理義務(善管注意義務)を負い、預かった物品に万一損壊や逸失の事態が生じた際には弁償しなければなりません。爆発の危険性がある硝酸アンモニウムといった危険物などを預かる場合には、受寄者に一定の資格が求められます。受寄者はこうした義務を負うほか、寄託者が保管料を払わないときは、預かった物品を留置でき、寄託者から返還を求められても応じる義務を免れます。こうした留置権の行使によって、寄託者に心理的圧迫を与え、未払いの保管料につき間接的に弁済を促すのです。

倉庫を賃貸借契約により使用する場合

倉庫を賃貸借契約により使用する場合は、物品を預けるのではなく、賃借人(物品を倉庫に置く人)が倉庫を借りて占有し、物品を置いて自ら管理することになります。倉庫内で借りたスペースの維持・管理につき責任を負う賃借人は、契約終了時に倉庫内の清掃や修理を徹底し、できるだけ原状回復しなければなりません。賃借人の過失により倉庫に損壊が生じた場合は、賃借人が賠償義務を負います。また、賃貸借契約期間中に、倉庫内で物品の逸失・損壊の事態が生じても、賃貸人(倉庫を貸す人)に相当の過失がない限り、賃貸人は賠償義務を免れます。なお、賃貸借契約では留置権が生じないので、賃借人が賃料を滞納しても、賃貸人は倉庫内の物品を留置できません。賃借人から敷金を得ていれば、敷金で充当することになります。

物流とは社会の中でモノの流れを表す概念です。現代社会は、複雑に入り組んだシステムによって支えられています。

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